2018年12月29日

アンコールワット記5
  パプオーン・王宮・象のテラス


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入れ口を入ると直ぐ17、8歳くらいの少年が横に並ぶ。
案内してくれるらしい、なにがしかのチップをやれば良いのだろう。
「日本人は此処で写真を撮るよ」
と教えてくれたのが空中参堂の下の部分だ。


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「ポルポトがみんな壊してしまったんだ」
と顔を顰め残骸を指差す。

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「こっちに面白い木があるよ」
確かに変わった木だ。

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4$渡すと少年はそそくさと森の中を駆け戻っていった。

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あちこちブラブラして門をくぐると広場に出た。
これが像のテラス。

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並んでいる塔が「綱渡りの塔」、プラサット・スウル・プラット。
王宮前に集まった観客に綱渡りを見せたと言う。

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王があのテラスの上で、
この道を凱旋して帰った兵士達、象の軍団を迎えたのだろう。
歓声がこだましてくる。

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2018年12月25日

アンコールワット4 アンコールトム

迂闊にも此処がバイヨンと知ったのはその時だ。
良く写真で見る巨像群が微笑んでる!

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目と鼻の先に乱立する四面観音菩薩像、

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おおろかな微笑の中に、
満ち満ちた威厳、溢れる自信、包容力すらも感じる。
クメール王朝の全盛を謳歌しているのだ。

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アンコールワットが12世紀前半の建築、
アンコールトムが12世紀後半から13世紀初めの建築、
たったの100年足らずだ。
代々の王は王権の神格化を城都造営の形で国民に示す、
これが不文律だったそうだ。
この地域だけで63箇所の遺跡があるという。
造営に次ぐ造営で国力が次第に衰え、
当時、南下途上にあったタイ族との戦いにも敗れ、
1431年にはクメール王朝はアンコールワットを放棄したとの事である。

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カモシカのような黒人女性、
暫く、菩薩像との取り合わせ写真を狙う、が。

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2018年12月23日

アンコールワット7 アンコールトム その2

城門の頭部は四つの四面佛顔の観世音菩薩
ここが人間世界から神の世界に入る入れ口なのだ。

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彫が深く緻密な浮き彫りがずらりと並んでいる。

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当時の庶民生活が生き生きと描かれている。

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2018年12月19日

アンコールワット6 アンコールトム

午前のアンコールワットの脇を通り過ぎ軽快に走ると奇怪な門。
道の両脇に立ち並ぶ巨人像、
その向こうに車が一台やっと通れる入れ口、
これがアンコールトムの南大門と知ったのは後のことだ。

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左に並んでいるのが神々、右手が阿修羅だとか。

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この像達も一つ一つ違う顔をしている。
西安の則天武后の墓を思い出す。
規模こそ劣るが共通点があるように思う。

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ここは陸橋になっていて、
陸橋の両側の巨人像がナーガ(大蛇)をしっかりと引き合う。
更に両側の環濠はたっぷりと水で潤っている。

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2018年12月15日

アンコールワット5 天を突くアンコールワット その4

第一回廊のに戻り壁画を観る。
東西200mx南北180mの四面に絵巻物が展開する。

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古代インドの叙事詩「マハバータラ」「ラーマーヤナ」、
古くからインド文化が定着し
クメール人たちの心の支えになっている勧善懲悪の物語だ。
「天国と地獄」「乳海攪拌」等等、
ぐるぐる廻っているうちにどれがどれだか判らなくなった。

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日本語のガイドがつばを飛ばしているのは日本人の落書きの前、
1632年に書かれた落書きが日本人相手の格好の見所となっている。
生々しい墨書、
鎖国令の敷かれるその時に、丁髷姿でこんな所まで来ていたのだ。
どんな目的で来たのだろう。
まさか、物見遊山ではあるまい。

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後ろ髪を引かれるように引き返す。
浮き彫りの詳細にも未練が残るし、
デバターも十分に撮り切れていない、
朝夕、季節で姿を変えるであろうし。
何時か長期滞在してじっくりと取り組みたいものだ。

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戻り口で花嫁花婿に出会う。
花嫁の横顔はデバターの様に福福しい。

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2018年12月12日

アンコールワット5 天を突くアンコールワット その3

当時、アンコールワット朝はインドシナ半島中央部の大部分を領土としていたと言う。
としても、この巨大な建造物を造るには
それなりの強力な政治、経済基盤が必須で有ったであろう。

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もう、凄いとしか言い様が無い。
幾つかのアンコールワット関係の本を拾い読みして幾らかその謎が解けて来た。

やはり、自然の恵みだ。
温暖な気候、大平原、豊富な水、に基づく農耕栽培。
樹林からは自然の果物、植物、薬、家具工具材料。
そして湖からは豊富な海の幸。
加えて、雨風だけを凌げればよい住居環境。
適当な人口密度。
種を播けば収穫できる自然環境の中で
豊かな、おおらかな自給自足生活が可能だった。
その余剰の富がアンコールワット朝の形に集約したのだ。

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2018年12月10日

アンコールワット4 天を突くアンコールワット その2

柱や壁が朱色で塗られていた当時の面影が残る。
さぞかし豪華絢爛な宮殿?寺院?お墓?で有った事だろう。

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柱、連子窓の造形が眼を引く。
これらの石組みの技術、美的センスは尋常ではない。

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遺跡のあちこちで見られる連子窓、
単に採光や通風機能だけでなくデザインにも気が配られている。

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何百年のも間、こんな密林に眠っていたのだろう。
1860年、
アンリ・ムーアと言うフランス人に発見されるまで、
僅かな地元民の土着信仰の場だけであったと言うがとても信じられない。

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2018年12月08日

アンコールワット3 天を突くアンコールワット その1

クメール王朝の最盛期に30年も掛けて造った代物だ。
東西1.5キロ、南北1.3キロ、兎も角広い。
環堀の幅190m、その中に三重の回廊、
本殿中央祠堂を中心に五基の堂塔が聳える。

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当時の工人達が命がけで造り上げた結晶が紺碧の空に光り輝く。
親方、設計士、絵師、塗装師、彫師、人夫達の息吹が聞こえてくるようだ。

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丁度、蓮花の季節。

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蓮池の向こうにアンコールワットの中心部が浮かび上がる。

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天を突く階段を登り切ると第三回廊。

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ひっそりした空間が広がる。
ここには四つの聖池があったらしい、
治水が重要な政治基盤だったのが頷ける。


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2018年12月06日

アンコールワット2 デバターの競演 その2

歯を出して微笑む、このような像はこの後見付けられなかった。
衣装、被り物、髪型、首飾り、耳飾、腕輪、足輪、それぞれ趣がある。

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胸の膨らみは皆同じようだ。

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鋭い眼、妖艶でもある。

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何か言いたい素振りだ。
私は幸せ!ってな顔、陶酔しているようでもある。
比較的厚い唇、
口の縁が心持上に持ち上がっているのは共通している。
当時の美人の口つきなのだろう。

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窓との配置も絶妙だ。

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2018年12月04日

アンコールワット2 デバターの競演 その1

バイクに跨り、まず、高速道路の料金所のようなアンコールワット観覧券売り場へ。
「顔写真持ってる?」
係員が日本語で尋ねる。
「持ってない」
と言うと、
「じゃ、そこで写真撮って」
意外に素早く観覧券を渡される。
真っ直ぐアンコールワットヘ。
もう、アンコールワットは人が一杯だ。
まず、これが何本か手を持つヴィシュヌ神像だ。

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さあ、デバターだ。

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一つ一つ顔が異なる、当時の女官がモデルだそうだ。

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仕草、手にしている持ち物もいろいろ有る。
それぞれに何かの意味が有るのだろう。

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背景の彫刻も華やかで木目細かい。

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この二体、特に右側が私の最もお気に入りの像だ。
この当時、在郷で目に付く女性、日本で言う○○小町?、
は悉く召し出されたらしい。
強制的なケースも有ったであろうが、
神に捧げるのだと家族が進んで差し出したとも言われる。
一人一人、どんな素性だったのだろう、
どんな経緯だったのだろう?
想像するだけでも興味が尽きない。
泣く泣く最愛の人と別れさせられた女性も居るだろう。
嬉々と宮殿に上がったのも居るだろう。
家族の為に、生活の為に犠牲になったのも、
どの顔もそんな喜怒哀楽をひたすら内に秘めているように感じる。

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